ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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今後の予定

    7月25日 京都言語コロキアム (KLC)

    日時: 7/25(土) 13:00~
    発表者:小松原哲太(神戸大学)
    タイトル:文法の修辞的用法としての直喩—換喩的推論をトリガーする X as if Y 構文の機能—
    キーワード:直喩、換喩、構文、レトリック
    要旨:
    本発表では、直喩 (simile) が、必ずしも隠喩 (metaphor) からの二次的な派生表現ではないことを論じる。この発表では、直喩を、文法的構文の修辞的用法と考える立場 (Dancygier and Sweetser 2014) をとり、X as if Y 構文の修辞的な用例に注目することで、このXとYが隠喩的な関係だけでなく、換喩的な関係となる事例が広く存在することを示し、構文の意味が修辞的理解に寄与する可能性について考察する。
    • 前回に引き続き,今回のKLCもZoomで実施します。参加を希望される方はミーティングIDをお知らせしますので、当日までに連絡をお願い致します。

    7月16日 言語フォーラム

    日時: 7/16(木) 13:00- (zoom開催)
    発表者: 関根雅晴(谷口研D2)
    タイトル:他動詞化接辞 -as を伴う他動詞を含む日本語の自他動詞対の概念的基盤
    キーワード:自他動詞対、事態認知、他動性、-as
    概要:
    本研究は、他動詞化接辞 -as を伴う他動詞を含む現代日本語の自他動詞対について、認知文法 (cf. Langacker 1987, 1990) の理論的枠組みを用い概念的に特徴づけるものである。日本語の動詞には、形態的に対応する自動詞と他動詞の対が数多く存在する。例えば、「 鳴る (nar-u) ― 鳴らす (nar-as-u) 」という動詞対では、双方とも-nar という語根を共有しつつも、他動詞形は-as という形態素が付加されている。故に当該の形態素 -as は、同じく他動詞形を生産するとされる形態素 -os, -e と共に、他動詞化接辞というカテゴリーに分類される (cf. 奥津 1967, 影山 1996, 2000)。影山は、語彙概念構造の観点から、他動詞化接辞 -as-,およびその変異である -os- を含む他動詞の意味構造を、 出来事名詞または人間名詞が当該の動詞で表される行為によって出来事を引き起こす( –as-, -os- : [EVENT  x  ACT] CAUSE [EVENT …] )ものとして規定する(影山 1996: 197) 。しかしながら、「一行が夜を明かした」などの文における「明かす」のように、動作主に当たる要素が必ずしも出来事を引き起こしているとはいえないケースもある。そこで本研究では、事態認知の観点から、他動詞化接辞 -as の機能の規定、および -as を含む自他動詞対のスキーマ的特徴づけを行い、それらが上述のような影山の規定からは説明できない事例をも含めて説明しうることを示す。(JCLA研究発表の練習です)

    6月25日 言語フォーラム

    時間: 6/25 (木) 13:00~ (Zoom開催)
    発表者: 北原匠
    タイトル:照応に対する構文文法的アプローチ
    −前置詞aboutを含む完全関係代名詞構文と縮約関係詞構文の機能−
    キーワード: 照応(WH疑問文と再帰代名詞の分布)、島制約、複合名詞句制約、前置詞特定的な構文、[NP1 that is about NP2]構文(FRC)、 [NP1 about NP2]構文(RRC)

    要旨: Ross(1967)で提示された島制約(Island Constraint)の中でも特に複合名詞句制約(Complex NP Constraint、以降CNPC)は、WH疑問文の生成や再帰代名詞の分布等の照応現象でも中心的な事例に関して正しい統語制約を与えることが知られてきた。さらにGoldberg(2006)は、CNPCの中でも特にWH疑問文に対して意味的制約を考える研究を行っている。一方で、Ross(1967)は典型的にはCNPCで統一的にその振る舞いが予測可能である完全関係代名詞節(full relative clause、以降FRC)と縮約関係詞節(reduced relative clause、以降RRC)において、CNPCに従わないFRCとRRCが存在することを示している。それが前置詞aboutを含むFRCとRRCである。これらの節についてRoss(1967)は将来の課題としているが、Goldberg(2006)における意味制約のアプローチにおいても依然、未解決のまま残されている。発表者は前置詞aboutを伴うFRCとRRCの特異的な振る舞いの観察を通じて、FRCである[NP1 that is about NP2]構文とRRCである[NP1 about NP2]構文という意味的に区別される2つの前置詞特定的な構文を認定する。そうすることで、周辺的事例とされてきたこれらの2つの構文の制約を設けることが可能であることを示す。