ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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今後の予定

    5月17日 言語フォーラム

    日時:5月17日(木)13:00~
    場所:総合人間学部棟 1107号室
    ・第一発表
    発表者:近 大志 (谷口研究室 M1)
    タイトル:「スウェーデン語動詞övertalaの意味研究」
    キーワード:スウェーデン語、含意、名詞の意味、クオリア構造
    概要:本研究では、スウェーデン語の動詞övertala(説得する, 英語のto persuadeに相当) の語義・構文についての包括的な記述を目指した。
    また、調査の段階で生じた2つの疑問を提起し、それらの回答を試みた。
    Q1. övertalaは、説得内容の実行を含意するのか?
    方法: övertala NP att VP (persuade NP to VP)について、例文テスト等から含意性を検証する
    A1: övertalaは説得内容の実行を含意する。
    Q2. övertala NP1 till NP2 (tillは前置詞)という構文において、どのような説得内容が可能か?
    方法: コーパス調査で得られたNP2を事象を喚起する名詞(事象名詞、影山(2014)と、そうでない名詞(個体名詞、ibid.)に分類する。その後、それぞれの名詞類について独立した考察を行う。
    A2: 事象名詞は当該の事象を表し、個体名詞が表す事象はクオリア構造 (Pustejovsky(1995), 小野(2005))によって記述・予測が可能である。

     

    ・第二発表
    発表者:神原 一帆 (谷口研究室 D1)
    タイトル:「フレーム意味論にもとづいた名詞の分析:Killingフレームを例に」
    キーワード:フレーム意味論,FrameNet,名詞の意味,コーパス
    概要:本研究では,名詞が状況の言語化に与える影響をフレーム意味論の観点から分析する.フレー ム意味論において語の意味は,その語が喚起する状況の部分を表すものとしてモデル化される (Fillmore 1982, 1985, 2003).しかしながら,動詞以外の要素が状況の言語化に与える影響は十分に議論がなされていない.よって,本研究ではある典型的な状況が言語化される際に,名詞がどのように使用されているのかを検討した.具体的には動詞 kill の目的語に現れる動物名詞の種類に応じて Killing フレームのどの要素が言語化されるのかを分析した.その結果,名詞の目的語の種類に よって言語化される要素に差が観察された.この結果から,名詞の意味には「ある特定の状況において,どのような役割を果たすのか」という情報が含まれる可能性が示された.

    5月10日 言語フォーラム

    日時:5月10日(木)13:00~
    場所:総合人間学部棟 1107号室
    ・第一発表
    発表者:樊 毓 (谷口研究室 M1)
    タイトル:「日中の近称指示詞コと『這』の非現場指示機能の探究ー話し言葉コーパスに基づいてー」
    キーワード:近称指示詞、照応、非現場指示、メンタル・スペース、日中対照
    備考:本研究は、日中の近称指示詞が話し言葉の中で果たす「非現場指示の機能」と「指示対象への照応方向(前方照応か後方照応か)」の二点に着目し、さらに、両者の相互作用を明らかにすることを目的としている。非現場指示機能においては、Diessel (1999)の分類に基づき、「名詞句照応」(anaphoric use)、「命題照応」(discourse deictic use)と、「記憶指示」(recognitional use)に分け、三つの機能を考察してきた。話し言葉コーパスにより採集されたデータから、コと「這」のいずれも、「命題照応」と前方照応の用法が多数ということがわかった。しかし、非現場指示のコには、相当数の「記憶指示」用法と後方照応の例が確認される。さらに、複数の指示機能を果たす混合型と思われる例も多く見られる。それらの現象について、東郷雄二(2000)で提出された、メンタル・スペース理論に基づく「談話モデル」の考察をふまえながら検討を行った。

     

    ・第二発表
    発表者:岡久 太郎 (谷口研究室 D3)
    タイトル: 「認知言語学における記号的言語観とは」
    キーワード:記号的言語観、構文文法、認知文法、関連性理論、文脈
    概要:文法的知識と語彙的知識を連続的なものとして捉える記号的言語観は、認知言語学の研究者にとって共通の理論的基盤とされることが多い。しかし、「記号」の構成要素である「形式」と「意味」とがいかなるものであり、どのような現象までを説明対象としうるのかといった議論は十分になされていない。本発表では、これまでの認知言語学における記号的言語観に見られる問題点を指摘し、それを解決するためにはどのような「記号」を想定するべきであるかを議論する。

    4月26日 言語フォーラム

    日時:4月26日(木)13:00~
    場所:総合人間学部棟 1107号室
    ・第一発表
    発表者:森 夏輝 (谷口研究室 M1)
    タイトル:「談話における文脈の把握に関する研究―笑いの分析を視座に―」
    キーワード:文脈(言語的文脈、物理的文脈、社会的文脈),文脈との不一致・不整合,笑い,言語解釈
    備考:言語の解釈に影響を及ぼす文脈とはいったい何であり、それは言語活動の主体にどのように把握されるのだろうか。本発表では、文脈の把握に関して笑いに着目し、研究を行った。笑いを、何らかの形で想定される文脈とその場で生成された文脈との不一致・不整合によって生じるものと定義し、その場面をみることによって、文脈の種類や文脈の把握についての仮説を提案する。具体的には、文脈を言語的文脈、物理的文脈、社会的文脈に分け、その相互の関係から、文脈の把握に関して、我々は言語解釈において言語情報を文脈となるべく過不足なく整合的に一致させようとして解釈するという仮説の提案を行う。また、以上の仮説を基に、実際の談話においてどのように文脈が把握されているのかについて、調査を行い、仮説を検討した。
    (卒業論文をもとにした発表です。)

     

    ・第二発表
    発表者:春日 悠生 (谷口研究室 D1)
    タイトル:「命令・勧誘の発話における終助詞ヨの機能」
    キーワード:終助詞ヨ、命令 (imperative)、勧誘 (hortative)
    備考:本発表では、日本語の終止形言い切り (e.g. 「行く。」) が命令と解釈されうる一方、それに終助詞ヨが付加した形「行くよ。」は命令とは解釈されない現象に着目する。日本語の命令・勧誘の発話と終助詞ヨのかかわりをみることで、命令・勧誘における終助詞ヨの機能や分布を探る。