ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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今後の予定

    7月14日 言語フォーラム

    日時: 7月14日(木)13:00~
    場所: 総合人間学部棟 1107号室

     

    ・第一発表
    発表者: 藤田遥(藤田研究室M2)

    タイトル: 語彙項目に着目した言語の起源・進化研究
    キーワード: 進化言語学、語彙項目、併合、概念化
    備考: 本研究では、生成文法理論の枠組みにしたがい、統語と語彙という2つの主要な言語モジュールを想定する立場を採る。
    Chomsky (2010) では、併合が唯一の言語固有の機能であるとされているが、本研究では、併合そのものではなく、併合の操作対象が語彙項目であるという点に言語の特異性があると主張する。
    そのうえで語彙項目に着目し、認知言語学での概念化に関する知見を援用して語彙項目の成立経緯を説明する仮説を提案する。

    ・第二発表
    発表者: 菅谷友亮(谷口研究室D3)

    タイトル:文化的価値観と形容詞表現の産出過程

    キーワード:価値付与、絶対判断と相対判断、(間)主観性、比較文化

    備考:なし

    7月7日 言語フォーラム

    日時: 7月7日(木)13:00~
    場所: 総合人間学部棟 1107号室

    ・第一発表
    発表者: 宮崎聡子(谷口研究室M2)

    タイトル: 行為解説の進行形―先行文献のまとめを中心に―
    キーワード: 英語、進行形、語用論
    備考: 修士論文に向けての発表です。
    修士論文では英語の進行形を扱いたいと考えており、数ある用法の中で特異とされている行為解説用法に注目しています。今回の発表では先行研究のまとめを中心に据え、修士論文で何が主張できるのか考えていきたいです。
    皆様からたくさんのご意見いただけると嬉しいです。

    ・第二発表
    発表者: 齋藤幹樹(谷口研究室D2)

    タイトル: (ディスカッション) なぜ単語頻度は評定値の低下を招くか

     

    キーワード: 容認性判断、線形混合効果回帰モデル(階層線形モデル)、コーパス、頻度、認知文法、下位構文スキーマ

     

    備考: 研究報告というよりむしろディスカッションを目的とした発表になります。

     

    本発表では、日本語の句レベルの造語認識・理解において、単語頻度及びスキーマ頻度が評定値に有意に影響を与えている可能性を示します。これまでの単語レベルの(名詞-名詞複合語型造語を対象とした)実験・分析により、単語頻度ではなくスキーマ頻度が容認性判断に影響を与えている可能性が示唆されていますが(斎藤2015a,b)、本発表はこれに続く位置付けとなり、分析方法の改善に伴ってこれら(斎藤(2015a,b))のデータセットの再分析も行います。

     

    争点となるのは、スキーマ頻度が予測通り評定値と正の相関を示すのに対し、単語頻度が評定値に対して常に負の相関を示す点です。つまり、単語頻度の高い単語を含む新奇表現の方がそうでない新奇表現よりも一貫して低い評定値を得る傾向があります。本発表内ではこの現象が見られるメカニズムについていくつかの可能性を示すとともに、その考察を行います。
    (参考文献)
    斎藤幹樹. 2015a.「下位構文スキーマが容認性判断に与える影響の統計的評価」『日本認知科学会第32回大会発表論文集』, 1-8.
    斎藤幹樹. 2015b.「言語表現の容認度に対する下位構文スキーマ頻度及び単語頻度の影響の統計的考察」『言語科学論集』21:37-57.

    7月3日 京都言語学コロキアム

    日時:7月3日(日)13:30〜
    場所:総合人間学部棟 1103講義室(いつもの会場と同じ建物の同じ階の教室です)

    • 第一発表
      • 発表者:川上 夏林 (京都大学大学院)
      • タイトル:状態性のデキゴト意味論―フランス語の心理動詞・感覚動詞の包括的研究—
      • キーワード:他動性、因果関係、コントロール性、物理性、比喩的拡張、状態性、topicality、与格構文、意識の主体
      • 備考: 本研究はフランス語の心理動詞構文、感覚動詞構文の包括的な研究を目的とする。語彙意味論では主に、経験者が目的語に置かれる語彙的心理動詞が議論の中心にあり、心理動詞は特異な使役性を持つ動詞として位置づけられてきた。しかし、経験者が与格表示されるタイプの構文や痒みなどを表す構文まで広げて観察してみると、類型論的にも心理・感覚を表す構文が状態性に関わる現象であることが分かる。また、心理・感覚動詞構文の成立に目を向けてみると、それらが動詞の比喩的拡張と深く結びついていることが見えてくる。心理、感情など内的デキゴトを描写する構文の背後には、従来の因果性に基づいたイベントモデルには還元することのできない使役や状態の問題、それと密接に関わるであろう比喩の問題が隠れていると考えられる。本研究では、因果性に基づくイベントモデルとは別に、階層性に基づくイベントモデルを仮定することで上記の問題について考察を行なう。イベントモデルの多層性からヴォイス研究に対する理論貢献を目指すだけはなく、文法と比喩の接点も探ってみたい。
    • 第二発表
      • 発表者:城 綾実(京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)科学コミュニケーショングループ)
      • タイトル:認知症高齢者グループホームにおけるケアカンファレンスの相互行為分析:判断・評価の再生産と身体的表現に着目して
      • キーワード: 介護職員、理解共有、意思決定、会話分析、物理的・規範的構造、意見・見解の交渉空間、主張態度の調整
        備考: 認知症高齢者の方々が生活するグループホームでは,利用者ひとりひとりに応じたケアをしていくために,介護職員は多様な作業を行っている.24時間ケアができるよう組まれたシフト制勤務では,利用者の様子が日によって異なる場合もあり,介護職員らが得る利用者の情報や個々の理解が微妙に異なる可能性が(一時的であれ,)ある.そのような介護職員たちが情報や理解を共有し合う機会のひとつが,月例ケアカンファレンスである.本発表では,介護職員が利用者の様子(機嫌が良い/悪い,食欲・怪我の様子など)を報告してから,当座どのような方針でケアをしていくのかの決定に至るまでの過程に着目し,会話分析に基づいた相互行為分析を用いて,グループホームとしての方針を決定するための資源となる諸現象の構造を明らかにしていく.特に,個々の介護職員が利用者に関する報告をする際の判断や評価が組織内のそれとして再生産される点と,判断や評価を述べながら用いられる身体的表現に絞って発表を行う.