ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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今後の予定

    6月28日 言語フォーラム

    日時:6月28日(木)13:00~
    場所:総合人間学部棟 1107号室
    ・第一発表
    発表者:神原 一帆 (谷口研究室 D1)
    タイトル:「意義の曖昧性:下位意義の観点から」
    キーワード:語彙単位,下位意義,断面 (facet),小意義 (microsense)
    概要:フレーム意味論において,フレームを喚起する要素は語彙単位(lexical unit)であるとされている(Fillmore et.al 2003: 235).Cruse(1986)はこの語彙単位を「単一の意義と単一の形式の組み合わせ」として定義し,語彙意味論の研究対象を語彙単位にするべきであると主張する.本発表ではCruse (1995, 2000, 2001, 2011) 等で展開されている下位意義(subsense)の議論を概観することで,名詞の意味として扱うべき対象を模索する.

    6月21日 言語フォーラム

    場所:総合人間学部棟 1107号室

    ・第一発表発表者:佐藤 雅也 (谷口研究室 D1)
    タイトル:「2種類の前提トリガーとその前提の処理について」
    キーワード:strong presupposition、weak presupposition、presupposition failure、information update
    概要:本発表では、前提という概念についての従来の研究を紹介した上で、特定の命題が共有基盤に含まれていることを求める前提トリガー (e.g. regret、againなど) が使用された場面での聞き手の処理ストラテジーについて、新たな可能性を提案するものである。話し手と聞き手の共有基盤に存在しない命題を喚起させる前提トリガーが使用されたとき、(i) 前提である命題が受容され、前提トリガーを含んだ発話の情報が新たに共有基盤に含まれる、(ii) 前提である命題が受容されず、情報の更新が行われない、という2つの可能性が論じられてきた。しかし、(iii) 前提トリガーに喚起される命題が受容されない場合であっても、その前提トリガーを含んだ発話の情報が新たに共有基盤の一部を形成する、という処理パターンが存在する可能性があり、これについて、Glanzberg (2003) と Tiemann et al. (2014) を参考にすることで論じる。

     
    ・第二発表発表者:佐藤 亜弓 (谷口研究室 D3)
    タイトル:「失語症者と健常者の話法の比較〜Langackerの主体性の観点から〜」
    キーワード:失語症、直接話法、間接話法、主体性、視点配置、状況主導型発話
    概要:本発表では発話データベースAphasia Bankを用いて、まんが説明課題における失語症者と健常者の発話を話法に着目して比較検討し、健常者に比して失語症者は間接話法よりも直接話法を多用する傾向にあるということを示す。また、話法の違いに関してLangackerの主体性の観点から分析し、直接話法は失語症者にとってより発話が誘発されやすい視点配置をとった事態描写の仕方であるということを示す。

    6月14日 言語フォーラム

    場所:総合人間学部棟 1107号室
    ・第一発表
    発表者:春日 悠生 (谷口研究室 D1)
    タイトル:「終助詞ヨの用法を分類する ー方言終助詞による言い換えの観点からー」
    キーワード:終助詞ヨ、久留米市方言終助詞タイ・バイ・ヤン
    概要:本発表では、終助詞ヨが持つ複数の機能を適切に分類することを目的とする。共通語でヨが用いられる発話を福岡県久留米市方言の発話に翻訳すると、タイ/バイ/ヤン等複数の文末詞によってその機能が担いわけられていることがわかる。この翻訳の違いにもとづいて、終助詞ヨが持つ機能の複雑さを整理することを目指す。
    ・第二発表
    発表者:石田 育子 (谷口研究室 M2)
    タイトル:「日本語教育における認知言語学の応用可能性〜ラレル構文とテモラウ構文の導入法の提案〜」
    キーワード:応用認知言語学、日本語教育、受身文、受益表現
    概要:日本語教育の現場では、ラレル構文は受身文として、テモラウ構文は授受表現の一部としてそれぞれ別個に教えられることが通常である。しかし、ラレル構文とテモラウ構文が記述する事態は構造的に類似しており、これらを切り離して教授することは母語話者の言語使用の実態に沿わないように考えられる。本発表では、認知言語学の知見を日本語教育の場に還元させることを目指し、その試みの1つとして2つの構文が体系的に教えられる可能性を提示する。